賢さん通信85号

かつての仲間との早すぎる別れ

こんにちは!株式会社琉球補聴器、代表取締役の森山賢(けん)です。賢さん通信第85号をお送りいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

さて、今回は新年号ということで、また、新年号だからこそ、重たくとても大事なお話をさせていただきます。

琉球補聴器には、かつて一人のムードメーカーがいました。大学を卒業後、22歳で琉球補聴器のメンバーに加わってくれた仲間です。そのときに面接をしたのは私。彼はすごく元気な男で、いつでもだいたい笑顔。本人も元気だけど、周りも元気づけるような人間でした。いろんな店舗に赴任し、たくさんの活動に貢献してくれて、その間にご結婚もされ、2人の子宝にも恵まれました。また、お父さんに車をプレゼントしてあげたいという彼の願いを、会社が立て替える形で叶え、その後の返済もしっかり完了し、彼は琉球補聴器で10年以上働いてくれました。

そんな彼にはひとつの夢がありました。それは、社長になること。彼は2020年か2021年の頃まで一緒に頑張ってくれまして、夢を叶えるために琉球補聴器を卒業し、1社別の会社を経験した後、自分で会社を立ち上げ、社長になるという夢を叶えました。彼は、琉球補聴器でたくさんの高齢者の方と関わりを持つ中で、沖縄のおじいちゃん、おばあちゃんの役に立つような事業をしたいと、便利屋さんのような事業を立ち上げたのです。それが今から1年ぐらい前のことです。

ところが、昨年の11月20日、信じられない、信じたくない報告が私のスマホに立て続けに飛び込んできました。「森山社長のところにも連絡は入っているかもしれませんが、念のため。〇〇君が交通事故で亡くなりました」と。

まだ37歳。11月19日の夜、彼は友達と楽しく飲んでいました。そして、飲んだ帰り道、彼は何を思ったか横断歩道のない場所で片道3車線の道路を横断。車にはねられてしまいました。

私は知らせを聞いてすぐ、彼がいる実家に向かいました。どうしても彼に会いたかったのです。到着すると、私もよく知っている彼のお父さんお母さんから「社長ごめんねぇ、もうこんなことになっちゃったんだよ。ごめんねぇ」と。彼は眠っていました。告別式まで4、5日あり、私はその間、ほぼ毎日彼に会いに行きました。

彼が好きだった居酒屋の大将にお願いをして、昼間から焼き鳥を焼いてもらい、夕方に届けてお父さんとお母さんと一緒にビールを飲みました。

交通事故というのは、被害者も加害者も周りの家族も誰のことも幸せにしません。新年のこの時期はどうしてもお祝いムードで気が緩みがちですが、ハンドルを握るときに絶対に気をつけるのはもちろんのこと、歩行者としても絶対に横断歩道がないところは渡らない。渡らせない。また、運転手も歩行者も自分が気をつけるだけでなく、相手が気をつけていなくても絶対に事故にならないぐらいに気をつける。それが本当の意味での、気をつけるということなのだと思います。

私は「人は2回死ぬ」という話を聞いたことがあります。1回目は心臓が止まったとき。そして、2回目は誰もその人の話をしなくなり、その人のことが全ての人の記憶から消えたとき。私は、たくさんの人に勇気と元気を与えた彼のことを絶対に忘れません。彼を知る皆さんの心の中でも彼が生き続けられるよう、時折、彼の笑顔を思い出していただければ幸いです。心よりお願い申し上げます。


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