賢さん通信83号

「セリフなし」のアドリブと、現場を和ませた「おやじギャグ」

こんにちは!株式会社琉球補聴器、代表取締役の森山賢(けん)です。賢さん通信第83号をお送りいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

さて、前回の賢さん通信では、琉球補聴器として約10年振りにテレビCMを作ることになり、奇跡的に映画『木の上の軍隊』の平一紘監督がそのCMを作ってくださることになったことを書かせていただきました。その30秒のCMがさっそくテレビで放送されるようになりましたが、是非、皆さんにご覧いただきたいのが、そのもとになっている琉球補聴器のドラマCM『働く目的編』約8分半と、『父子の絆編』約6分の2つの映像作品です。

私自身、2日間の撮影のうち、1日目は朝から夜中まで同席させていただき、平監督をはじめとした全ての方々から、本当にたくさんのことを学ばせていただきました。

今回は、その大きな学びの中の2つをご紹介させていただきます。ひとつは、だからこそ画面を通してこの映像作品を見る人に伝わり、感動するのだと思ったことです。これは『父子の絆編』の後半に出てくる親子で話す感動のシーン、親子の本音のやり取りがされる、ものすごく感動する場面でのことです。

このシーンは夕日が差し込む中で撮影が行われていたのですが、夕日が沈んでいくここ!というほんの数分の中で撮影が行われるため、絶対にやりなおし、撮りなおしができない一発勝負でした。ところが、その絶対にやり直しができないシーンで、平監督はあえてセリフを作らなかったのです。つまり、アドリブです。

演者さんはセリフを覚えて話すのが基本ですが、親子の会話の最後のセリフはなく、そこは本当の親子になりきって自然に出てくる言葉を撮りたいという意図でした。結果、本当に演者さんのアドリブでの言葉が出て、あとでそのシーンを映像で見ると、ものすごく伝わってくるものがあり、何度見ても感動で涙が止まらなくなります。

そして、もうひとつ。こちらはどこかの特定のシーンのことではなく、撮影現場でのやり取りのことです。2日間の撮影、時間との勝負、天気との勝負、入念に計画が練られた中で、分単位で撮影が進められていくわけですが、どうしても雰囲気がピリピリしてきてしまうことがあります。

何度も撮り直しをしていく中で、全員が本気だからこそ、平監督もピリつきそうになっているのが外からも見えました。そんな時、それを上手く和らげてくれる人がそこにいたのです。その方は、音声を担当するボーイッシュな女性(30代)です。

彼女は、全体の空気がピリつきそうになったとき、いきなりくだらないおやじギャグを言ったり、皆をちょっと笑わそうとするのです。すると、場が和み、ちょっとした雑談が始まり、そして、また集中できるすごくいい空気になるのです。私はそれを見て、なんて粋な計らいなんだと感心し、深く感銘を受けました。

このドラマCMを作るプロジェクトは、プロジェクト9さんの平監督と大城社長をはじめ、10人ぐらいで取り組まれたわけですが、そこには本当に最高のチームワークがあり、その結果、本当に心に響く、素晴らしい映像作品が完成いたしました。

最後に、改めて今回の映像制作チーム、そして、沖縄映像センターさん、ご協力いただきましたお客様に心から感謝申し上げます。本当にどうもありがとうございました。


賢さんおすすめの一冊

「心に響く小さな5つの物語」書影

『心に響く小さな5つの物語』 藤尾秀昭 著 致知出版社

人生の教訓が詰まった5つの物語集です。家族や仕事、生き方を深く考えさせてくれます。私たちの会社では40冊を購入しまして、朝礼の時に全社員で読み、そして、感動を共有しました。大人の方はもちろん、お子さんがいらっしゃる方はぜひ、お子さんにもおすすめしていただきたい一冊です。泣けます。


「働く目的編」

「父子の絆編」