賢さん通信6号

ギリシャの次はトルコ!「タダヨリタカイモノハナーイ」

こんにちは!株式会社琉球補聴器、代表取締役の森山賢(けん)です。賢さん通信第6号をお送りいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

さて、賢さん通信一人旅3回シリーズ、エジプト、ギリシャと渡り、最終話の今回はトルコです。アテネ国際空港からトルコイスタンブール空港へ渡った私は、いきなり衝撃を受けることになりました。

首都イスタンブールに到着した私は、ベンチでひとり休憩をしていました。すると、そこに5歳くらいの男の子が走ってきて、私の足下を見るなり、靴を磨かせてくれというジェスチャーをしてきました。しかし、私も学習しています。タダで済むわけがありません。私は磨かなくて大丈夫と、断ったのですが、何度も何度も磨かせてくれときて、しまいには「タダ、タダ、ダイジョーブ」と日本語で言ってきました。トルコの人は日本語が話せるのか!と驚きつつ、そのしつこさと笑顔に根負けした私は、タダならいいかと思い、磨いてもらうことに。そして、5分程度で靴磨きが終わると、その男の子が私に日本語で言い放ちました。「タダヨリタカイモノハナーイ」 いったいなんなんでしょうかこの国は・・・。私は衝撃を受け、がっかりしながら、トルコリラを男の子に渡しました。その後、さらなる事件が起きるとも知らずに・・・。

私は、肩を落としたままホテルを探し歩きました。たくさんの人からこう見えたのでしょう。ネギを背負ったカモ。いたるところで「ホテル、ホテル」と声を掛けられ、日本語で、「サザエサーン」「チビマルコチャーン」「キムタクー」と言われ、なんとか警戒心を解きながら騙そうとしてきます。そして、私は一人の優しそうな人にまんまと引っかかったのです。「オレの友達のホテルを紹介してやる」と言われ、私はついて行きました。途中、その人は手帳から一枚の写真を取り出し見せてきました。そこにはベリーダンスの衣装を来た妖艶な女性が写っていました。そして、楽しそうに言ってきました。

「これオレの奥さん、かわいいだろ、おまえ、オレの奥さん抱きたいか?おまえ、スケベー、スケベー」と。そのようにして仲良くなりながらホテルに到着。フロントの人ともツーカーで、そのまま部屋まで案内してくれました。そして、荷物を置き、そこから「遊びに行こう」と言われ、ベリーダンスを見に行くことになりました。

部屋を出て、エレベーターで1階まで降り、そして、バス停まで歩いている途中でふと私は思いました。ちょっと待てよ、フロントのやつが友達だったら、もしかしたらおれの部屋、勝手に開けられて、いろんなもの盗まれていてもおかしくないなと。

私は言いました。「ちょっと忘れ物したから戻る」と。すると、「ダメだ」と言われ、なんとか引き留めようとします。ますます怪しく感じた私は、「ベリーダンスは諦める」と言って、彼を振り切り、ホテルに向かって走り出すと、彼が後から走って追いかけて来たのです!ホテルに到着し、エレベーターに乗り込むと、彼も乗り込んできて、5階だったと思いますが、到着して走って部屋に向かい、ガチャン!とドアを開けると、なんと、部屋の中にフロントにいた男性が!「なにしてんだ!」と怒ると、誘った彼とフロントの男性が目配せして、現地の言葉で何か話しています。私はこんなところに泊まれない!と思い、荷物をまとめて出ようとすると、お金を請求されたのですが、「なんでトルコの人は日本人を騙すんだ!」と怒って支払わず走って出てきました。彼らは追いかけては来ませんでした。

あまりにもひどい仕打ちに、トルコでは初日から落ち込んだのですが、それでも、翌日から気を取り直して、カッパドキアに行ったり、モスクを見たり、トルコアイス(ドンドゥルマ)を食べたりしながら過ごし、少しは良い思い出ができました。

エジプト、ギリシャ、トルコと一人旅をして痛感しました。日本は平和だと。いろいろ怖い思いもしましたが、それでも、意を決して一人旅をして良かったと、今も心から思っています。あの旅の思い出は、私のかけがえのない財産です。