賢さん通信25号
あれは、私の字ではないのです・・・
こんにちは!株式会社琉球補聴器、代表取締役の森山賢(けん)です。賢さん通信第25号をお送りいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
さて、昨年11月、私たち琉球補聴器は、創業33周年を迎えました。33周年は、私たちにとって「33(みみ)」の語呂合わせで特別な年で、創業以来、応援し、支えてくださったお一人おひとりのお客様に対し、感謝の意を込め、キャンペーンのDMをお送りいたしました。そして、その中に1枚の挨拶状を同封させていただいたのですが、今回は、この挨拶状の裏側にあった真実を告白いたします。
33周年という特別な年、そして、1万人以上のお客様にお送りするものなので、本当に心を込めて挨拶状を書いたのですが、私の字があまりに個性的で、人様にお見せできるようなものではありませんでした。私は、もうパソコンで打って出そうと思い、その旨を今回のキャンペーンのリーダーに伝えました。すると、リーダーからは「やっぱりお客様に気持ちが伝わるのは、手書きだと思います」と言われてしまい、私は、途方に暮れてしまいました。
どうすればいいんだ・・・と頭を抱え、悩んでいたとき、最初に思い浮かんだのが、大城允子(ちかこ)さんでした。そうだ!允子さんに代筆してもらおう!リーダーの理解も得て、私が考えた文章を、允子さんに代筆してもらうということになりました。
允子さんは、長く書道をされていた方で、允子さんが書く文字は、本当にきれいです。允子さんは、いつものにこにこ笑顔で快く引き受けてくれまして、さらさらさらっと流れるような字できれいに代筆してくれました。
そして、その挨拶状をDMに同封し、1万人以上のお客様にお送りしたところ、ものすごい反響をいただいてしまったのです。いろんなお客様からお祝いのお電話をいただいたり、お花の贈り物をいただいたり、あちこちでお声を掛けていただいたりしました。私は本当に嬉しく、有り難かったのですが、非常に心苦しかったのが、何名かの方から「社長さん!字がきれいねぇ」と言われてしまったことです。
直接言われたときには、「文章は僕が考えたんですけど、字は社員の子にお願いしたんです」と、正直に伝えることができたのですが、とても心苦しかったのが、社員さんから伝言で聞いたときです。
私がいないときに社員さんがお客様から「社長、字がきれいねぇ」と言われ、社員さんも「いや、あれは社長の字じゃないんです」とは言わず、「それは社長も喜ぶと思います。ありがとうございます」と応対してくれて、それが私の耳に届いたときは、もう非常に心苦しく、恥ずかしい気持ちになりました。
ある日、私がお店にいたとき、ひとりのお客様がご来店され、字をいたく褒めてくださいました。正直に「これは僕の字じゃないんです」とお伝えできたのですが、それでも、とても褒めてくださいました。しかも、具体的に。
実は、その方は書道の先生。ただ字がきれいですねではなく、この字からこの字に繋がるときの自然な流れが素晴らしいとか、ここの部分は実は難しいんだけど、ちゃんとできているとか、字が詰まり過ぎると読む方も疲れてしまうけど、適当に空白ができていて、とても読みやすいとか、だから本当に感動したんだよと、15分くらい解説を加えながら褒めてくださいました。私は、具体的に褒めるというのは、非常に大事なことだなぁと、そんなことを、学ばせていただいたりもしました。
11月から「あれは、私の字ではないのです」とお伝えできず、ずっとモヤモヤがあったのですが、今回、真実を告白できたことで、スッキリした気持ちで新しい年に入っていけます。というわけで、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます!