賢さん通信22号
新卒採用をする理由、続ける理由
こんにちは!株式会社琉球補聴器、代表取締役の森山賢(けん)です。賢さん通信第22号をお送りいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
さて、今回は新卒採用がテーマです。琉球補聴器は私の父が創業した会社です。10人から始まった会社も少しずつ人数が増え、今では40人あまりの会社になっているのですが、父はその採用活動を始めた当初から、実は、新卒採用にこだわりを持っていました。
通常、小さな会社ですと、新卒を採用して時間とお金を掛けて育てるよりも、即戦力となってくれる中途の採用に重きを置く傾向にあります。新卒よりも給料が高くても、すぐに成績を残してくれる経験者の方が魅力的に映るからです。
たた、父はハローワークで中途採用の求人票は出しつつ、採用を始めた頃から、あくまで新卒採用にこだわっていました。そして、今では社員の半数以上が新卒で占めるまでになりました。
私は、どうして新卒なのか、とても不思議に思い、父に聞いたことがありました。すると、こんな答えが返ってきました。
「新卒というのは、やっぱり混じりっけがない。とても純粋だから、教えやすく、育てやすい。もちろん、育って戦力になるまでは時間も費用も掛かるけれど、それも先行投資として考え、また、育った後はちゃんと定着もしやすいから新卒がいいんだ」と。
また、こうも話してくれました。「人を採るということは、ただこの会社の戦力を増強するということではなくて、沖縄県の若者に働く場所を作ってあげる活動でもあるから、だから新卒採用というのをやっているんだ」と。
父が自分の会社のことだけを考えているのではなく、沖縄県の若者のことを考えて新卒採用をやっているのだということが見えたとき、本当にスケールが大きいなぁと、とっても格好いいなぁと思い、感銘を受け、私自身もこの考えは引き継いでいきたいと思い、私が社長になってからもずっと新卒採用を大事にしています。
また、この新卒採用を父が続けていたときに、もうひとつ不思議に思ったことがありました。人が足りないときはもちろん、人が十分足りているときも父は新卒採用をやめなかったのです。採用活動そのものに時間もお金も掛かりますし、採用したらさらにです。それにも関わらず、父は毎年、新卒採用を続けており、それもまたどういう理由からなのか聞いてみたところ、こう言われました。
「採用することによって、今いる社員が一学年ずつ上がることができる。もし、新入社員が入って来なければ、去年の新入社員がずっと新入社員のまま、一年生のままになってしまう。新入社員が入れば、今いる社員が一学年ずつ先輩になることができる。また、新卒で採用したら育てないといけないけれど、育てる側も成長していける。だから毎年、新卒採用を続けているんだ」とのこと。
私もその意志を引き継ぎ、今年も採用活動をしておりますが、実は、今年はこのコロナの状況で、合同企業説明会や会社説明会が、全て中止や延期に。先日、久しぶりに合同企業説明会は開催されましたが、私たちも苦戦しております。
ずっと続けている新卒採用、今年の春に入ってきた新入社員の子たちが必ず2年生に上がれるように、ちゃんと採用はしたいと思っています。
【編集後記】
今年、琉球補聴器は33周年を迎えるのですが、永年勤続で今年15年以上を迎える社員たちに、先日、オーダーメイドの靴をプレゼントしました。オーダーで革靴を作ってくれる靴屋さんに行ってもらい、そこで仕立ててもらいました。琉球補聴器で15年以上歩んで来てくれた人たちへ、感謝と敬意を込めてのプレゼント。そのことに皆がすごく喜んでくれて、私もとても嬉しい気持ちになりました。